マスクの向こうの風景
-松山にアーバンテラスをつくる-

 COVID-19は私たちの生活を一変させました。体調不良でなくとも常にマスクつける日々を1年以上送っていると、様々な新しい習慣に慣れたように思えますが、実はとても大事なことを無意識の間に諦めてしまったようにも思えます。

 離れて暮らす大事な人との触れ合い、大切な場所との往来、偶然居合わせた人と繰り広げる世間話、今この瞬間に肉眼でしか見られない景色、誰かと共有するおいしい食べ物飲み物。

その一方で、オンライン会議システムをはじめ、我々が新たに手に入れたツールは、時間の使い方、日々の過ごし方、時間を過ごす場所を、時には便利に、時には豊かに、時には窮屈にしました。そして、そのツールや状況に対応できない人々を、無自覚に取りこぼし続けているとも言えます。

 都市を考える上で、都市の良いところや魅力を認識することに注目が集まりがちです。しかし、魅力と並列で語られるべき都市の課題は、表立って気軽に共有や議論はされておらず、そういった状況に慣れてしまった我々は、そういうものだと無関心になってしまってはいないでしょうか。

 都市を歩けば、よいところもあれば、やはり、そうでもないところもあります。大事にされてもよい場所が大事にされていない現状、人の営みに寄り添っていない空間、誰かの悲しい苦しい記憶が残る場所。まだ見えていないもの、気づいていないもの、見過ごされているもの、忘れ去られようとしているもの。

 2022年を生きる我々が考えるべきこと、すべきこと、できることは何か。

 アーバンデザイン・スマートシティスクールのスクール生やTA、メンターたちが提案・実施する各アクティビティでは、都市や地域で過ごす豊かな空間と機会を取り戻します。すべてのアクティビティが、マスクの向こうの笑顔に出会いたくて、考え抜かれたものです。

 アクティビティに寄り添うように走るモビリティは、次世代技術へのはじめの一歩を踏み出す実験です。モビリティや自らの歩みでめぐる各敷地では、地域の魅力はもちろん、様々な課題がむき出しになっています。アクティビティやモビリティによる行動を分析しつつ、課題に向き合う仕掛けを通して、可視化にもチャレンジします。

 無意識、無自覚、無関心のマスクを、我々は外すことができるでしょうか。

 都市を見つめるまなざしを覆っているマスクの向こうにある風景を、urban design week.をきっかけに、一緒に見に行きましょう。

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